月次決算のススメ~原価管理ソフトの必要性~
<原価管理ソフトの必要性>
ある会社で、原価管理ソフト不要論が
経営者の中から出ていました。
「必要性」を議論するときは、
背理法が有効です。
かりに、○○がなかったら、こんな困ったことがおきる。
という道筋で、
議論を進めていくと、おおよそ適正な結論が出ますし、
共感も得やすいです。
●原価管理ソフトがなかったら・・・
工事管理ソフトの他、経理ソフトと販売管理ソフトの機能も併せ持っているので、
・請求額の把握が難しくなります。
・売掛金管理、買掛金管理が難しくなります。
エクセルを使えばできないことはないですが、
計算ミス、転記ミス、集計漏れ、ダブり、スピードが落ちる、タイムリーな情報が出ない、
事務コストが跳ね上がる、苦労した算出した数値の信ぴょう性が高くない、
といった、デメリットがあります。
便利にするために、ソフトが作られたのに、ソフトを使わないと考える人は、
なぜ、退化したものの考え方をするのだろうと思います。
そもそも、
「新しく車を作る時も、タイヤをつくる事から始めない」
という教訓があります。
タイヤはブリジストンのタイヤを使っていれば問題ありません。
タイヤをつくる研究にあてる時間が合ったら、
今の時代のお客が好む車作りに時間を割きます。
「お客創り」の時間を減らしてはいけません。
余談ですが、昔、個別受注の機械製造業にいたとき、
製造業用の原価管理システムが導入されていました。
納品書単位で入力されるので、
前日までの製造原価をお昼ごろまでに出力できて、
自分の案件の原価状況をわりとタイムリーに確認できました。
それでも、昔は、システムがなく、すべて、手計算だったので、
事務員が、一つの工事の原価を出すのに、
依頼されてから、何時間も計算して、報告していたそうです。
仕事のほとんどが、依頼された原価計算の計算で終わっていたと思います。
システムのメリットを感じますね。
●原価管理ソフトがあったら・・・
削減した事務コスト(労力、時間)をお客づくり、
粗利づくりの研究や情報収集・報告に投入していきます。
粗利を追うための会議資料の作成、
目標を達成するためにみんなが頑張れるアイデアを出し合います。
社員一丸となった勝ち戦をするための仕組み作りに頭を使います。
仕掛の計算をして、適切な期間損益をだして、業績を評価します。
業績評価は資金繰り表からは難しいでしょう。
資金繰りには、入出金の源となる営業活動期間の締めの概念がないからです。
----------------------
最後に、
原価管理ソフトの運用は、
常駐の管理者を中心に行ってください。
原価管理の研究も、管理者の必須です。
経営者が打ち出す、経営戦略と
現場の活動がリンクするよう、経営管理を行ってください。
現場の活動と目標粗利額までの道筋ができたら、
あとは、全員で頑張って仕事をするだけです。
無計画な行き当たりばったり経営にならないように、
科学的に経営管理で経営者の役に立っていきましょう。
-------------------------------
原価管理ソフトは、
他のソフトでもかまいませんが、
比較的安価なレッツよりも、高価なソフトになるので、
少し出費が増えることになります。
レッツは、
レッツ原価管理Go2に、年度計画に入れるなどして、
積極的にバージョンアップしておく方がいいです。
今後、通算すると結局、同じような金額になるので。