顧客設計 実行計画
個別営業の強化による業績向上ではなく、組織営業の強化による業績向上を目指す。
優秀な営業専門社員の育成ではなく、新人から間接社員まで含めた全社員参加・全社員一丸となったお客創り活動を実践する仕組みを作っていく。
長期的な業績向上と、日々の社員の顧客満足の活動が直結しているという意識を持たせる。
長期的な目標と短期的な目標(日次目標まで落とし込む)をつなげていく。
業績向上=売上高向上
単価は不変と仮定し、売上数量を増やすことに視点をおく。
売上数量=お客の頭数×利用回数 or 平均利用者数×延べ利用回数 or
継続利用者数(既存利用者+新規利用者-離脱利用者)×(月間利用回数)
売上高を上げるには、継続利用者数を増やし、利用回数を増やすこと
お客がどの施設を選ぶかは自由。こちらに決定権はない。お客の数量を増やすには、他施設より自施設が選ばれることが肝要。
選ばれるためには、他施設より選ばれる理由が必要。
選ばれるためには、嫌われず、好かれて、気に入られて、不便をかけず、忘れられないという立ち位置に立っていなければならない。
現状は、おそらく、嫌われていて、好かれず、気に入られず、不便かけ放題で、忘れられている存在でしょう。
ここを改善していくことが、会社の重点課題であり、その仕組みを発案することが当委員会の活動目標です。この活動目標を達成していくために、実行計画を作ります。
お客に選ばれる施設づくりが業績向上の為のスローガンです。
お客に選ばれるには、
徹底的に、
不便要素を排除し、
嫌われる言動を排除し、
好かれる施設になることがスタート地点です。おそらく、今はマイナス地点です。
さらに、他の施設よりも、好かれて選ばれて、
さらに、ちょっと選ばれる程度ではなく、地域で一番選ばれる立ち位置に立つことまで求めます。
日本で二番目に高い山の名前がすぐに思い浮かばないように、
一番出ないと、名前さえ思い出してくれません。
地域で一番選ばれる存在になるには、他の施設がほとんどやらないことまで、日々の活動に落とし込まなければなりません。
それが行き過ぎだと言われるでしょうが、まず、地域で30位を目指すのか、10位を目指すのか、5位を目指すのか、3位以内を目指すのか、目標の設定で、日々の活動の程度が変わってきます。
地域で1位は行列ができるお店になり、お客がどんどんやってきて目標利益を獲得しています。
2位、3位は、その半分の利益しか稼げていないでしょう。
5位以下は、利益はトントンで、借入金を返済できるか不安な資金状態でしょう。
そのため、業績向上のためには、地位で一番選ばれる施設づくりは不可欠です。
そのために、1位の顧客満足の対策を日々実行するという方針が大事です。
地域で一位になることが業績向上の為の会社の基本方針です。
その基本方針を全社員で日常的に容易にできるような環境づくりが、「仕組みづくり」です。
仕組みづくりとは、「流れ」と「判断基準」を提供することであり、「分業」と「統制」です。
また、仕組みは陳腐化しやすいので、定期的にメンテナンス、つまり、見直してつくり変えていくことが大事です。
お客に選ばれるほどの顧客満足のレベルを日々、新人を含めて実践できる環境づくりのためには、
全社員が毎日知らず知らずのうちに実践できるように落とし込んでいきます。
また、顧客満足を目標とした社員教育をとおして、社員の満足の向上にもつながり、社員の募集、採用、継続雇用、離職率の低下、不良社員の自然排除、の効果も得られると思います。
実行の手順
1.判断基準をつくる。良い・悪いシートを作る
いいこと・悪いことシート、良い対応・悪い対応、良い言葉づかい・悪い言葉づかい
2.流れにのせる
日報に自己採点のコーナーを設ける、別紙でもいい。1.のシートから3項目か多くても10項目くらい抜粋して◎○△×- 数値に直すと5,4,3,2,1,とします。
この数値を日々の日報・アンケートに書いてもらい、定期的(週次)に集計し、施設別にわけて表を作り、公表する。
日々の活動でどのシチュエーションで、どう気を付ければよかったのか、教育する。
上位の会議や管理者会議で進捗を追う。
3.各役職の分業の役割を明らかにさせる
各ポジション、立ち位置、偶然的な立ち位置(ちょうどその場に居合わせたというシチュエーションでの対応の仕方)で、会社が目指したい言動を明らかにする。目指す水準を明らかにする。各自独自の評価を使わせず、会社の評価方法を使わせる。社員は良かれと思ってやっていることが多いが、たとえ個別によくても、会社全体の組織活動としては、そぐわないこともあるので、軌道修正していく。そのためには、そもそもの役割を明確に定義しておくことが必要となるでしょう。
4.統制する
全社員・1か月分の活動を施設の価値提供として一定水準か、乱れがないか、ムダムリムラがないか、評価・手直しをしていく。
そのためには、実行可能かどうか(実行可能性の確保)、活動の見える化(検証可能性の確保)、評価の見える化(評価の公平性)、がポイントとなる。
①実行可能かどうか(実行可能性の確保)
そもそも、新人でもできる接遇のしかたなのか、
そもそも毎日できるのか、三日坊主にならないか、1年継続できる活動か、確認する
模擬をする。社員勉強会や、管理者会議で、接遇の芝居?をし、自然にできることなのか、揉む。
現状の浸透方法(方針の発表、社員教育、進捗の確認、個人相談、など)で実行可能なレベルまで引き上げられるものか、確認しましょう。
会議レベルで何度もシュミレーションし、現場に落とし込むという手順が、現場に混乱をおこさせないでしょう。
②活動の見える化(検証可能性の確保)
よい言動だったか、悪い言動をしてしまったのか、管理者が全部を見渡すことができないでしょう。そのために、社員個人で自己評価させて報告してもらう手段がいいでしょう。
日報アンケートに書いてもらうのも一つの案です。
③評価の見える化(評価の公平性)、
仕組みを浸透させるには、評価がわかりやすいことが大事です。
社員の日々の目標は、1つがいいと言われます。いろんな数値目標とかがあったりしますが、2目、3つ目で社員は混乱します。日々の活動で、たくさんの目標が頭をめぐっていては、混乱してしまいます。また、複数の目標は、言い逃れ、言い訳の原因にもなります。
日々の目標(指標)は1つがいいと思います。
たとえば、日報アンケートの点数10点中7点以上を目標とする。など。利用者満足指数と名付けてもいいです。
6月の利用者満足活動指数を5点を目標とする。7月は5.5点を目標とする。でもいいです。
自己評価ですし、管理者の恣意性・虚偽などもあるでしょうが、施設平均なので、全体としての大きな方向修正になればいいかと思います。
利用者満足活動指数の向上⇒利用者満足度UP⇒地域の順位(選ばれる順)⇒業績向上
とつながっていればいいと思います。日々の活動が会社の長期的な目標に辿り着くでしょう。業績向上がうまくいかないときは、上記のどこかの過程でエラーがあるのでしょう。
自己アンケートにあげている項目は、上席の者が、説明できるようにしてください。その解説文の提供も必要です。◎はどの程度か、とかの説明も必要です。
評価の結果、年次(or半期)での表彰式も大事です。月間優良施設の発表も大事です。
※試作をのべ30個作る覚悟で、10回転以上の試運転をする覚悟で作るのがいい。だから、ラフ版をつかった繰り返し作業が大事です。当委員会は提言団体であり、発案だけでもよく、実際の作業は、他の部署に手伝ってもらっていいでしょう。
仕組みとは、標準化を意味することもありますが、安易に、平準化・容易化・低レベル化につなげるものではありません。あくまでも、地域1位をとれる水準でありながらも、その水準は個人ではとれないかもしれないが、組織全体として活動をするときに、1位に匹敵する水準であり、新人でもできる活動におとしこんでいるが、全員で毎日実行すれば、他の施設と差別化できるくらい高い水準となっている、状態です。なので、決して水準を落としているわけではありません。ハイテクニックなお客活動も、ツールを使ったり手分けしてやることで新人でもできる、地域一位の水準をクリアしている・・・そんな工夫を求めています。
仕組みとは、標準化により、社員から裁量性(自由度、自己判断度)を奪うものです。その弊害は当然に予測できます。塩梅が難しく、経営者の匙加減が問われるでしょう。
当年度はダメ元でやってみてください。3年5年と続けていきましょう。おそらく、現状で地域1位の他社施設は、このような活動を5年以上続けているのではないでしょうか。
よいお客活動をしている会社には、良い社員が残る傾向があると思いますので、あきらめずにコツコツとやってみてください。
実行のスケジュール(6月25日現在)
月度 実行内容 進捗 顛末
6月 情報収集(他の優良施設のHP調査、季刊誌 )
役職の定義、役割を明らかにする(草案レベル)(役割のリストアップ、役職に限らない。)
お客との接点のリストアップ(シチュエーションのリストアップ)
接点ごとの対応の仕方のたたき台をつくる(言動のリストアップ)
流れの確認。一通り、一連のラフ版をつくる。雑でいい。(ツール、日報、評価方法、表彰制度)
地域1位の水準をしっかり見定める 情報収集中
7月 試作と試験運用
判断基準ツールの作成・試験運用・修正
日報アンケートの試作
8月 本作成と本運用 1回転目
評価方法の説明文の発行
9月 8月度の運用の見直しと修正 2回転目
修正版の配布
10月
11月
12月 評価の集計
表彰
一連の活動の見直し・修正
次年度の顧客活動の基本方針を固める